革命から進化へ、フランク・ミュラーのトゥールビヨン by 編集部ナガイ
リコメンドッチ読者の皆さん、編集のナガイです。
フランク・ミュラーのトゥールビヨンのなかでも、とりわけ光を放つレボリューション。
これまで3シリーズ作られたレボリューションのどれもが、アッと驚く意匠で機械式腕時計マニアのハートをゲットしてます。
2002年に発表されたシリーズ第1作目のレボリューション1は、
左側7時の位置にあるボタンを押すと、長針と短針が12時の位置にせり上がり、
トゥールビヨンがせり上がって美しい作りを見せてくれます。
通常、トゥールビヨンでは、文字盤とトゥールビヨンの間にブリッジと呼ばれる
部品があって文字盤側からトゥールビヨンのケージを支えます。
ところが、上のマガジン部分のフランク・ミュラーのトゥールビヨンの写真を
よく見ると分かりますが、これにはブリッジがありません。
こういったタイプをフライング・トゥールビヨンと呼びますが、
これを作るのはものすごくレベルの職人でないと無理。
レボリューション・シリーズはすべてフライング・トゥールビヨンで、
さまざまなギミックを見せてくれるんです。
翌年のレボリューション2は、ケージを水平と垂直の2方向に回転させ、
より重力の影響を受けにくくしています。
2004年のレボリューション3では世界初の3重軸式のトゥールビヨンを採用し、
その3つのケージが互いに垂直になりながら回転してくれます。
そして2005年の4月、ジュネーブでフランク・ミュラーは
新らたにエボリューションを発表。
もはや文字盤スペースの3分の1はトゥールビヨンが占め、
重力による誤差を防ぐための装置ではなく、
機械式腕時計でどこまで複雑なものが作れるかへの挑戦
となった感すらあります。
挑戦する冒険者たちのためにロレックスがあるとすれば、フランク・ミュラーは、
それ自身が挑戦者といえるかもしれないですね。
腕の中で歴史に残る挑戦を見られるなら、数千万円も安いものです。
僕は買えませんけど。
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