腕の上の小宇宙、フランク・ミュラーのトゥールビヨン by 編集部ナガイ
リコメンドッチ読者の皆さん、編集のナガイです。
今ドキの腕時計に必要なものといえば、「正確さ」よりも「プレミアム性」だと思いますが、
「プレミアム性」を十二分に感じさせてくれるブランドがフランク・ミュラー。
1958年生まれのフランク・ミュラーは、スイスの時計学校在学中から天才の呼び名を
受け、一度も既存のメーカーに就職することなく自分のブランドを立ち上げています。
その魅力はエンスーのガンダーラさんが書いているように、腕時計の小さなスペースに
複雑な機構を盛り込んだ職人技に加えて、アールヌーボーのようなビザン数字を配した
文字盤に見られるデザインセンスの良さも特筆すべき点でしょう。
トゥールビヨンにしても、驚異的な複雑な機構を実現する歯車は、
それ自身があたかもひとつの小宇宙を構成しているかのような、
美しさをただよわせています。
自分の腕にもうひとつの小さな宇宙をもてるなら、数千万円という値段も安いのかもしれませんね。芸術と工芸と科学が融合した小宇宙をみなさんも１個どうですか？
腕時計ってそれこそロレックスのエクスプローラーとかしなきゃいけない条件であるとき意外は、日常的にはあまり必需品じゃなくなってますよね。それこそ携帯電話ひとつあれば時間くらいいつでもわかるんで、それに携帯なくてもそばにいる人に聞けば自分はもってなくても誰か腕時計はしてますから。そんな中で腕時計するんだったら必要以上、というか無意味なくらい細部にこだわった方が面白い。そんなこだわりがフランク・ミュラーの時計には感じられる。無駄なことって動物と人間を分ける重要な要素だから、ファッション性を時計に求めるならやっぱ、フランク・ミュラーでしょ。
by ケンイチ (2005-11-06 23:04)
編集部のナガイです、ケンイチさんコメントありがとうございます。
おっしゃるように時間を知るだけなら都市で暮らす限りはいつでもどこでもデジタル式の時計は存在しますよね。そんな時代に機械式腕時計にこだわるのは、やはりねじや歯車といったものでどこまで精緻なものが作れるのかという、匠の世界でのある種求道的なまでの挑戦だと思います。
その頂点にいるのがフランク・ミュラーだと思うのです。トゥール・ビヨン、特にレボリューションなどについては、龍安寺の石庭にも似たひとつの宇宙が広がっている気がします。
ケンイチさんはファッション性と書かれましたが、僕が思うにフランク・ミュラーにはファッション性もさることながら、科学と芸術の融合した美しい物理学の方程式のようなものがあるように思われます。
by VSリコメンドッチ？ (2005-11-07 10:17)
『３次元トゥールビヨン機構』だと何で重力の影響を受けなくて済むのかさっぱり？？？な私には、発想すら不可能な機械です。ガンダーラさんの言う「すごい厚み」を一回だけでも見てみたい。もうその厚みの時点で、腕にはめて持ち歩いてもらおうなんて思っちゃあいないんでしょうね（笑）。
by オカダ (2005-11-07 10:24)
こんにちわ、フランクを2本ほど所有しているＭです（ええ、自慢です）。
たしかに今のご時勢において高級機械式腕時計ほど無駄なものはないかもしれません。
だからこそ、いい。
だからこそ、こだわりたい。
無駄を楽しむ贅沢さ。
これが、いい。
by M (2005-11-07 10:25)
編集のナガイです。オカダさん、コメントというかご質問
ありがとうございます。
フランク・ミュラーを語る上で忘れられないのが、トゥールビヨンです。
トゥールビヨンは天才時計職人プレゲによって1795年に発明された機構です。機械式時計はぜんまいを動力源にしていますが、そのため時計の向きによって重力の影響が変わってしまい、立った状態と寝かされた状態では微妙に針の進む時間が変わっているのです。このずれを解消したいと考えたプレゲは、ぜんまいや歯車を収めた脱進機構・調速機構という部分を1分間に1回転させて重力の影響を避ける仕組みを発明したのです。
ただ、非常に複雑な機構のため、プレゲの発明から現在に至るまで、実際にこの仕組みを組み込んだ時計は数千個しかないといわれており、現在もこれを作れる時計職人は非常に少ないそうです。
そんなトゥールビヨンの回転を3次元－縦・横・斜めにできるようにしたのが3次元トゥールビヨンです。
プレゲの発明した当時、トゥールビヨンには「天体系」という意味があったそうで、まさに小さな腕時計の中に宇宙の秘密が収められているような感じがしますね。
by VSリコメンドッチ？ (2005-11-07 12:55)
編集部ナガイです。Mさん、コメントありがとうございます。
Mさんはブツ欲日記で紹介した「ワールドタイム」のほかに「カサブランカ・サハラ」もお持ちとか。ウラヤマシー！
「無駄を楽しむ贅沢さ」ですか、さすが買い物ラテン系だけあって、
名言ですねー。
僕も毎号取り上げるアイテムを経費で買いたいです！！
by VSリコメンドッチ？ (2005-11-07 14:15)
40代に突入直前にして時計に目覚めました。
ただ予算は限られているので、雑誌を眺めては、ロレックスいいなー、オメガいいなーとため息をついております(^^ゞ
フランク・ミュラーはやはり「トゥールビヨン・レボリューション」で初めて知りました。ダイヤをちりばめた時計はたくさんありますが、これはさしずめ魔法をかけた時計とでもいうのでしょうか？ 奇想天外な仕掛けに驚嘆した覚えがあります(*_*)
しかし今回の対決、エクスプローラーIIも初期のモデルでかなりプレミアがついているとはいえ、200万円はしません。一方のフランク・ミュラーのトゥールビヨンは、レボリューションでなくても800万とかするもの(@_@)
これでは勝負にならないと思うのですが……。
フランク・ミュラーでも我々のような普通の機械式時計ファンが買えるくらいの、せめて100万円以下のものを取り上げていただければよかったのではないでしょうか？
by ウルリッヒ (2005-11-10 12:51)
編集部ナガイです。
ウルリッヒさん、コメントありがとうございます。
確かに今回の勝負、価格でいうとめちゃめちゃ開きがあります。
しかし、どちらもそれぞれのブランドヒストリーに欠かすことのできない
モデル。ロレックスとフランク･ミュラーをご紹介するにはうってつけの
ものと考えて、あえて価格には目をつぶって取り上げています。
フランク・ミュラーでもっと安いモデルというなら、一番スタンダードな
カサブランカあたりはどうでしょう？
名前はもちろんボギーとバーグマンの主演の映画でもしられるモロッコの美しい街カサブランカからきています。モロッコといえば映画「シェルタリングスカイ」で知られる作家ポール・ボールズの移り住んだ国。エキゾチックな雰囲気を味わいたい欧米人がよくリゾートで訪れていたところです。
それだけに、フランク･ミュラーのカサブランカもどこか退廃的でエキゾチックな感じがすると思うのは僕だけではないはずです。フランクは、灼熱の地のイメージにふさわしく、砂塵がまうような場所でも故障がないようにと、自身のブランド初のステンレススチールを採用したそうです。
トノー（樽型）型のケースはシンプルですが、なめらかな曲線を描いてセクシー。機械式時計ファンならずとも、手にたい誘惑にかられてしまいます。
値段はモデルにもよりますが定価でだいたい80万円前後。ユーズドなら50万円を切るものもあるようです。
この冬のボーナスでぜひウルリッヒさんの腕にぜひフランク･ミュラーを！
by VSリコメンドッチ？ (2005-11-10 17:43)
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by 西川布団 (2012-11-16 12:56)